浮気と捉える行為は人それぞれによって異なります。
しかし、法律上で問題となる不貞行為とされるのは肉体関係を持ったときとされています。
それでは、旦那が風俗通いをしているときは不貞行為にあたるのでしょうか?
今回は、旦那が風俗通いしていることは浮気になるのか、その理由で離婚や慰謝料請求の可否について解説します。
1.風俗通いは浮気になるのか
1-1.浮気と不貞行為は異なる
浮気とは「愛情や興味の対象が変わること」であり、人それぞれによって定義が異なります。
例えば、見つめるだけでも浮気とする場合もあれば、手をつなぐことで浮気とする場合もあります。
しかし、実はこれらでは法的には問題ないとされています。
離婚原因を定める民法において問題となるのは不貞行為とされています。
この不貞行為とは、配偶者以外の異性とセックスをすることで該当します。
なお、性交類似行為(オーラルセックス、射精を伴う行為、同性愛行為など)も不貞行為とみなされます。
1-2.不貞行為にあたる風俗の種類
風俗と一口にいっても、さまざまな種類・サービスがあります。
・ソープランド
風呂のある個室で、ベッドやマット上で性的なサービスを提供します。
風俗では売春防止法によりセックスは違法とされていますが、ソープランドにおいては「恋愛上での本番行為になるために売春にならない」という建前から黙認されている実態があります。
つまり、ソープランドに行くことは不貞行為に該当します。
・ヘルス
行為をする場所の違いによって、デリバリーヘルス(男性客の自宅やホテル)・ホテルヘルス(ホテル限定)・ファッションヘルス(店舗)と呼ばれます。
セックス以外のサービスを提供し、性交類似行為であるために不貞行為に該当します。
・性感マッサージ
性的なマッサージを提供するもので、射精行為を伴います。
そのため性交類似行為であり、不貞行為に該当します。
・SMクラブ
名前の通りに鞭やロウソクなどを使ってSMサービスを提供しています。
セックスは禁止とされていますが、性交類似行為が行われているかはプレイスタイルなどにもよるために不貞行為に該当するかの判断が難しいものです。
・ピンクサロン(ピンサロ)
フロアのような場所で大勢の男性客に対して性的サービスを提供するもので、オーラルセックスを行うものがほとんどです。
性交類似行為となるため、不貞行為に該当します。
・ストリップ
女性がステージ上で踊りながら服を脱いでいくことを鑑賞するものです。
セックスならびに性交類似行為が行われないため、不貞行為に該当しない可能性が高いです。
ちなみに警察が摘発を強化したことで、現在は見ることがほとんどなくなっています。
2.離婚と慰謝料請求は可能か
2-1.不貞行為となる風俗通いは離婚の理由となる
上述したように、不貞行為は民法で離婚原因と定めるようになっています。
そのため、ソープランドやヘルスといった不貞行為となるような風俗を利用しているような場合には離婚の理由となり、離婚の請求が可能です。
2-2.風俗に行ったことを証明する方法
風俗を理由に離婚を請求するためには、風俗に通っていたことを証明する必要があります。
具体的には、会員証・領収書・風俗の利用を認めた証言・風俗の利用を認めた書面などです。
2-3.風俗で不貞行為と判断されない場合
風俗で不貞行為と認められなかったとしても、離婚請求できる場合があります。
例えば、風俗通いによってセックスレスになった、風俗に通うために生活費を切り崩していた、風俗で性病に感染したなどです。
夫婦関係が破綻すると判断できるようなものであれば、離婚請求できる要因となります。
2-4.離婚と慰謝料請求の流れ
十分な証拠が揃ったら、離婚と慰謝料請求に入ります。
このとき、風俗通いを認めさせ、慰謝料を払うことを約束させていることが非常に重要になります。
もし認めない場合などは交渉が難航する場合もあるために注意しましょう。
離婚と慰謝料請求は交渉によって進みますが、それでも進まない場合があります。
そのときには調停・審判・裁判という手続きを経て交渉を進めることになります。これは通常の離婚で行われる手続きと同様ですが、風俗が原因の場合には立証する必要が発生するためにハードルは高くなります。
そのため、専門家に相談して裁判に向けた準備を行った上で、交渉に臨むと良いでしょう。
3.まとめ
旦那が風俗通いしていることは浮気になるのか、その場合に離婚や慰謝料請求はできるのかについて解説しました。
不貞行為と判断されるときはもちろん、夫婦関係を破綻させるようなものがあれば離婚請求ができます。
そして、離婚や慰謝料請求をするときには十分な証拠を揃え、旦那に認めさせて約束させた上で交渉を進めることが大切です。
さらに、交渉を進めるために専門家への事前相談も必ず行っておくようにしましょう。