事実婚や内縁など法的関係のない状態で慰謝料は取れる?

事実婚や内縁など法的関係のない状態で慰謝料は取れる?

有名芸能人の不倫、浮気、その果ての慰謝料問題。いつの時代もお金に関わる揉め事は尽きないものです。

私には関係ないからと思っている方も、いつ自分が厄介な揉め事に巻き込まれるかも分かりません。昔から「備えあれば憂いなし」と言われるように、事前に対処策や、予備知識を蓄えておくことは、リスクマネージメントになります。

そもそもそんな事態に陥らないことが一番なのですが、もしそうなってしまった場合、気になる実際のところはどうなのか、今回は慰謝料にまつわるアレコレを具体的に解説していきたいと思います。

慰謝料とは?

民法第710条を見ると、

・慰謝料は被害者に与えた精神的な苦痛に対して、その賠償として支払われる金銭である。
・不法行為の場合は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

と規定されています。

賠償とは「他に与えた損害を償うこと」ですから、もし不法行為によって精神的な苦痛を与えてしまったら加害者は被害者に対して賠償責任があるということになり、ここで言われている「不法行為」とは、「違法に他人に損害を与える行為」を指します。

当たり前ですが、わざと他人の家の壁を破壊したりすると、これは不法行為にあたり、賠償しなければいけません。このように、故意や、過失(不注意や怠慢などによる失敗)によって他人の権利を侵害し損害を与えると不法行為になってしまいます。

あらためて見てみると当然のことのようにも思えますが、このように法律に定めがあるからこそ、秩序が守られ、安心して生活がおくれているのかもしれません。では次に男女関係のもつれの最たるものとも言える「浮気」の場合について見ていきます。

浮気の場合は婚前なのか、既婚なのかが重要

男女の歴史を見ると、避けては通れない問題の一つが浮気です。妻の浮気を知って逆上した男が、浮気相手の陰茎を切り落とし、便器に排泄したというショッキングなニュースもありましたが、浮気によって破滅する人は今も昔も変わらずいるので男女関係の代表的な問題と言えるでしょう。

気をつけていても、起きてしまう。そんな最悪の事態になってしまい、悲しい思いになった時、法律は賠償することを認めているのでしょうか。浮気の場合、婚前と結婚後によって状況は大きく異なります。


結婚後の場合は、「結婚をしている=法的な定めによる関係」ということになるため、当然慰謝料を請求することができます。

不倫による慰謝料は、法律上の「平和な結婚生活を送る権利」を侵害した場合に支払うものであり、結婚関係にある夫婦は、当然お互いにそれを守る義務が発生しているからです。

では婚前の場合はどうでしょうか、自由恋愛、フリーセックスという言葉もあるぐらいですから、不法行為にあたらないのでしょうか。

結婚前の浮気は、結婚している場合と違い、慰謝料を請求しても認められない場合が多いです。
ただどんな場合も慰謝料が請求できないのかというと、例外もありますので、次の章で解説します。

結婚前に慰謝料の請求ができるケース

前述したように、結婚前の浮気で慰謝料の請求が認められるケースはほぼありません。

ただし、婚約関係や内縁状態を証明することができれば慰謝料を獲得できる場合もありますの絵、それぞれ確認していきましょう。

婚約関係にあることが証明できる場合

分かりやすい例としては、

・婚約指輪が送られている場合(明らかに婚約指輪とわかる証明が必要)
・結婚式場・披露宴関連の証明書がある
・賃貸契約書上の記載(同居人の続柄が婚約者など)
・結納の授受が証明できる資料がある

などです。

上記以外にも身近なところでは、LINEのメッセージやりとりやSNS上での発言なども場合によっては証明として認められるケースもあります。

例えば、SNS上にあなたの写真を挙げて、「婚約者です」と公言していたり、LINEのやりとりの中で、明らかに結婚意思と証明できるようなものがあるとそれを証拠として認めるケースもあります。

ただしこれらは深刻な発言と認められない場合もあり、証拠力としてはまだまだ不十分といった側面もあるようです。

内縁の夫婦であることが認められる場合

内縁の夫婦とは一言で言うと事実婚のことで、婚姻届が提出されていなくても、下記の条件が一般的な内縁関係を指します。

以下の2点を証明することができれば、慰謝料を獲得できるかもしれません。

・本人同士に婚姻の意思があること
・一緒に暮らしていること

内縁はなんらかの事情があって婚姻届を出してはいない(双方の意思)ものの、夫婦同然の生活を送っている。事実婚は婚姻届は出していないが夫婦同然の生活を送っている。このような場合は婚姻していないものの、婚姻関係と認められることがあります。

以上が、慰謝料請求ができるかできないかの重要なポイントです。

慰謝料を請求できる証拠

前述した条件を証明することができる場合、最後に証明しなければいけないのが「浮気の証拠」です。自分の目では確認したとしても、浮気をしていたという形に残る証拠がなければ慰謝料を請求することはできません。

結婚しているのに、違う異性と二人きりで映画を見に行った。あるいは酒を飲み、成り行きでキスをした。
一体どこまでが許され、どこからが浮気なのか、当人たちがその気ならば浮気になりそうですが、客観的に証拠として認められるのは、肉体関係があったことが証明できるかどうかです。

では具体的にどんなものが証明になりうるのか見ていきましょう。

①二人で宿泊をした証拠

一般的に二人で宿泊した=肉体関係があった。と解釈されるため、宿泊したことが認められる写真があると強いです。二人で部屋に入った後に照明が消えた動画なども有効な証拠となります。
また宿泊先の領収書も同様です。宿泊先がビジネスホテルだった場合や、食事の領収書だけの場合は、反論の余地が残ってしまうので、ラブホテルに宿泊したことを証明する領収書の方が有力になります。

②肉体関係を認める言動、書面

浮気をした日時や、場所、事実がはっきりしていればそれは証拠になります。重要なのは事実関係が明確かどうかの裏付けです。

このように、慰謝料の請求には肉体関係を証明する証拠が必要になりますが、請求するためには、「複数回」の肉体関係を証明しなければなりません。
法律上、一度だけの肉体関係は浮気とは認められず、一般的に浮気と判断されるような決定的な証拠を掴んだとしても一度だけの証拠では不十分ですので注意が必要です。

慰謝料請求の方法は?

証拠が集まったら、相手に慰謝料を請求しましょう。金額の相場は30万〜300万円です。
この際のポイントは、後になってそんな請求は受けていないと言い逃れできないように、内容証明郵便などで通知することです。また、婚約破棄による慰謝料請求は婚約破棄の日から3年以内と決まっています。基本的に話し合いで進みますが、もし相手が慰謝料の支払いに応じない場合は法廷で請求ということになります。

まとめ

以上が、婚前あるいは法的関係のない状態での慰謝料請求についてになります。重要なポイントは、婚前や内縁関係であっても証拠さえ揃っていれば慰謝料請求は可能になるということです。

受けた被害に対して正当な権利を主張することは当然ですので、自分の立場に自信が持てなくても泣き寝入りする必要はありません。

ただ自力で証拠を揃えることは難しく、困難な場合もあると思いますので、そのような場合は、証拠探しのノウハウや実績が豊富な探偵にご相談ください。