探偵の依頼はキャンセルできる?キャンセル料の相場についても解説

探偵に調査を依頼したあと、急な予定変更などによりキャンセルを希望する依頼主の方もいます。基本的に探偵業者との契約の破棄、つまりキャンセルそのものを行うことは可能です。

ただし、キャンセルに関する基礎知識などを事前に身に付けておかないと、後々高額なキャンセル料を請求される可能性もあるので注意が必要です。

そこで今回は探偵事務所のキャンセルに関する基本情報や相場、注意点などをまとめましたので解説します。

探偵事務所のキャンセル料相場はどれくらい?

探偵のキャンセル料は法律で定められている金額があるわけではなく、各社が独自にキャンセル料を決定することができます。
キャンセル料設定の基本的な傾向のようなものはあるものの、最終的にはその事務所次第ですので、依頼をする事務所に確認する必要があります。

キャンセル料は調査を依頼した際のプランや契約内容によって金額が異なるため、調査料金総額のキャンセル料を支払うケースもあれば、調査料金の何割かを解約料として支払うこともあります。

探偵事務所のキャンセル料は契約段階で金額が異なる

探偵のキャンセル料は契約段階で金額が異なるのも特徴です。つまりキャンセルを申し出るタイミングによってもキャンセル料の相場は変わるということです。

ここでは契約前、調査前(契約締結後)、調査中、調査終了後に分けたキャンセル料の相場などを解説します。

契約前のキャンセル

契約前とは見積りや調査内容などの詳しい話を聞いただけで、契約書の交付はなされていない段階のことを指します。このタイミングでは正式に契約を締結したわけではありませんので、キャンセル料や違約金などが発生することはありません。

仮に契約前のタイミングでキャンセル料を請求された場合は、悪徳業者の可能性もありますので、消費者センターなどに相談するようにしましょう。

調査前(契約締結後)のキャンセル

正式に契約書を発行、交付したあとのキャンセルについてはキャンセル料、違約金といった名目で探偵業者から指定された金額を支払う必要があります。

調査前のキャンセル料の相場に関しては、おおよそ通常調査料金総額の10%~20%ほどであることが多いです。

つまり調査料金総額が10万円であれば1万円~2万円、50万円なら5万円~10万円ということです。ちなみに契約後の調査前キャンセルは、調査予定日に近ければ近いほどキャンセル料の金額も高くなる傾向にあります。

探偵業者は調査が近くなると、人員の確保や手配、調査車両や調査機材の準備などの作業が発生します。

仮にキャンセルの申し出がこれらの準備が完了したあとになると、準備にかかった手間や費用などがキャンセル料に上乗せされることもあるでしょう。なおキャンセル料については交付された契約書に詳細が記載されていますので、必ず確認するようにしてください。

調査中のキャンセル

すでに調査に着手したタイミングでの中断、中止依頼もキャンセル料発生の対象となります。調査開始後のキャンセル料は一般的にキャンセル時点までの調査日数分の費用が発生します。

また調査を消化した日数が全調査日数(時間)の50%未満で約半額のキャンセル料、50%以上で調査手数料全額を支払わなければならない探偵業者も存在します。

この他、諸経費が基本調査料金とは別途で支払う契約プランの場合は、すでに発生した分の費用も請求される可能性があるでしょう。

ちなみに探偵業者の諸経費とは調査員の交通費、レンタカー、機材料金、施設などへの入場料などが該当します。

調査中のキャンセル料計算方法については各探偵業者で大きく異なるため、こちらも調査前と同様、契約書の内容などをしっかりと確認しておくようにしましょう。

調査終了後のキャンセル

全調査を終えたあとは、キャンセルそのものを不可としている探偵業者が多いです。すべての調査を終えたあとの報告書作成などの作業を残している場合は、報告書不要の旨を伝えれば調査料金から多少の割引が可能な業者もあるかもしれません。

しかし、基本的には予定の調査をすべて完了したあとというのは、調査料金全額をしっかりと支払う必要がありますので注意しておきましょう。

調査延期・日程変更でもキャンセル料は発生するのか?

探偵業への依頼は尾行対象者の急な予定変更などにより、調査の延期や日程変更を希望する方も少なくありません。しかし、ここで疑問に挙がるのが延期や日程の変更にもキャンセル料は発生するのかということです。

この疑問については調査料金の何割かを支払う必要もあれば、無料で延期や日程変更が可能なケースもあります。

たとえばですが、他のサービス業(旅館やホテルなど)のように「○日前までの予定変更は無料で対応可能」とする業者もあれば、一度契約を締結した以上は日程変更の手数料が発生する事務所もあるということです。

探偵業は調査の延期や日程変更を容易に受け入れてしまうと、他の依頼者と調査日がバッティングする可能性もあります。そのため、簡単に無料での延期や日程変更を受け入れるのは難しいとする業者も多いです。

また延期や日程変更の手数料発生有無に関しては、時間プラン、パックプラン、成果報酬プランなど契約プランによっても異なることがあるでしょう。そのため、キャンセル料などを気にされる方は事前に必ず相談、確認することをおすすめします。

キャンセル料・中途解約料の注意点

探偵事務所のキャンセル料や中途解約料に関する相談は国民生活センターにもよく寄せられているようです。つまり依頼主は「探偵事務所に騙された」「キャンセル料などの話はまったく聞いていなかった」といった感情を抱いているということです。

このような方たちにお伝えしたいのは、契約前の段階でキャンセル料や中途解約料の有無、発生条件などは必ず確認しなければならないということです。具体的には以下のようなポイントを意識しておくようにしましょう。

・契約前にキャンセル料の金額を確認する
・契約書にキャンセル料の金額が記載されているかを確認する

探偵業法第8条によると探偵事務所は依頼主と契約を締結する際に、契約の解除に関する事項、契約の解除に関する定めがあるときはその内容を書面(契約書)を交付して説明する必要があります。

【参考】警視庁「探偵業の業務の適正化に関する法律」
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/keiyaku_horei_kohyo/horei_jorei/tantei_com.files/tantei_law.pdf

良心的な探偵事務所の場合は、契約書にキャンセル料や違約金に関する事項がしっかりと記載されていますが、中には契約書にキャンセル料発生の有無が記載されていない業者もあります。

このような業者の場合、後々「キャンセル料が発生する旨は伝えた」「こちらは聞いていない」といった問題が高い確率で起きます。

そのため、契約書にキャンセルや解約に関する内容が記載されていない場合は、その場で書き加えてもらうなどの対策を施すようにしましょう。契約段階ごとのキャンセル料が記載されていれば理想的です。

まとめ:探偵のキャンセルは料金が必要な場合も

今回は探偵業者のキャンセルをメインとした情報を解説しました。依頼主は契約後でも依頼をキャンセルすることは可能ですが、その際にはあらかじめ定められたキャンセル料や中途解約手数料などを支払うのが前提です。

キャンセル料などの金額については、各探偵業者に委ねられているため、契約前には事前にある程度の相場などを知っておくとよいでしょう。

契約後のキャンセルで大きなトラブルが起きないようにするには、契約書にキャンセル料に関する事項が記載されているかの確認などをしっかりと行うことです。探偵業者のキャンセルなどに関する不安がある方は、ぜひ参考にしてください。