盗撮はどんな犯罪になるのか?軽犯罪や迷惑防止条例をわかりやすく解説

盗撮されてしまった被害者として、どのような刑罰が下るのか知っておく必要があります。また盗撮という犯罪を増やさないためにも、軽犯罪や迷惑防止条例についても理解しておくと良いでしょう。ここでは、盗撮はどのような犯罪になるのか詳しく説明していきます。

 

盗撮と法律の関係

盗撮で捕まったとしても、盗撮には盗撮罪という刑はありません。盗撮を行う時に対象者の自宅へ侵入し盗撮カメラを設置した場合は、軽犯罪法違反または建造物建造物等侵入罪があてはまります。

 

また駅の階段やエスカレーターでの盗撮、電車内での盗撮などでは迷惑防止条例違反が適用されるため『盗撮罪』という刑で罰せられることはありません。

 

盗撮罪という罰則はありませんが、盗撮を行った場合は

・軽犯罪法違反

・建造物建造物等侵入罪

・迷惑防止条例違反

が適用されることになります。

 

軽犯罪法違反または建造物建造物等侵入罪

盗撮を行っても、盗撮で罰せられることはありませんが、軽犯罪法違反・建造物建造物等侵入罪という罪は適用される可能性があります。では軽犯罪法違反、建造物建造物等侵入罪に該当する盗撮はどのような場合を言うのでしょうか?

 

軽犯罪法違反に該当する盗撮

軽犯罪法第1条第23号によると、

『正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他、人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞきみた者。』

が、軽犯罪法違反に該当する盗撮に当てはまります。

 

この場合、公共の場(銭湯やプール、海などの更衣室、シャワー室、駅のトイレなど)での盗撮行為は各都道府県の迷惑防止条例違反に該当します。今回の更衣室、風呂、トイレなどの人が衣服を身に着けていないようなところでの盗撮というのは、対象者の自宅などになります。

 

軽犯罪法違反の刑罰は、『拘留または科料』となります。軽犯罪法違反で有罪判決を受けると、

 

・1日以上30日未満の拘留

・1,000円以上1万円未満の科料

この範囲の中で刑罰が言い渡されます。

 

拘留とは?

一定期間、刑事施設に拘留されること。

 

科料とは?

強制的に、一定の金銭の支払いを強いられること。

 

建造物建造物等侵入罪に該当する盗撮

刑法第130条(住居侵入罪)によると、

『正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。』

この刑法に当てはまることになります。

 

この刑法を読むと、盗撮での刑罰ではなく建造物建造物等侵入罪に対しての刑罰となります。

 

建造物建造物等侵入罪の刑罰は、

・3年以下の懲役

・10万円以下の罰金

となります。

 

迷惑防止条例違反とは?

盗撮における迷惑防止条例違反とは、前述した『軽犯罪法違反』の内容は当然のことながら一律であるのに対し、迷惑防止条例違反は各都道府県によって制定される『条例』です。そのため、迷惑防止条例違反の内容が都道府県によって変わってくるのです。

 

盗撮をする都道府県によって、処罰や刑罰に違いが生まれてきます。例えば、東京都で盗撮して迷惑防止条例違反が適用された場合、

・1年以下の懲役

・100万円以下の罰金

が適用されます。

 

愛知県の場合

・6か月以下の懲役

・50万円以下の罰金

 

千葉県の場合

・6か月以下の懲役

・50万円以下の罰金

 

神奈川県の場合

・1年以下の懲役

・100万円以下の罰金

 

このように、地域によって与えられる刑罰に差がでてきます。

 

不起訴処分、執行猶予になる可能性

盗撮で捕まった場合でも、不起訴処分、執行猶予になる可能性があります。どのような状況だと不起訴処分、執行猶予になる可能性があるのでしょうか?

 

不起訴処分になりやすい事例

・初犯の場合、不起訴になりやすいと言われている。

・犯人の年齢や境遇、性格、犯罪の軽重、情状、犯罪後の状況を考慮し不起訴となる場合もある。

・示談の成立

・被害届の取り下げ

・被害者の許し

このような事情がある場合、不起訴処分となる可能性が高まり、不起訴処分となれば前科はつきません。

 

執行猶予になる事例

執行猶予付き判決は、前科はついてしまうものの、身体的拘束を受ける刑罰を受ける必要はありません。刑事施設で身体拘束されずに社会復帰をすることができます。

 

執行猶予付き判決が下される事例

・社会復帰をしても問題がないと判断された場合

・悪質なケースや余罪があった場合でも、すでに示談が成立し賠償が行われている場合

 

このような場合は、執行猶予の判決がつきやすくなっています。

 

まとめ

盗撮は、盗撮罪という罪に問われることはありません。軽犯罪、迷惑防止条例、建造物建造物等侵入罪が適用され、それに伴って刑罰が与えられます。盗撮は被害者の心も踏みにじる行為です。もしも、盗撮されているかも…と不安や悩みがあれば、盗撮機器が設置されていないか探偵に依頼すると良いでしょう。

 

東京都中野区にある総合探偵社ブレイブリサーチでは、盗聴器、盗撮機の有無の調査を行っています。心配事があれば一度相談をご検討ください。