「与信」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思われますが、実際にこの言葉の意味を知っている方は少ないのではないでしょうか。主に企業間やビジネス上で耳にするこの言葉。紐解いてみれば難しいことはなく、普段生活していれば似たような事例に出くわしていることもあります。今回はそんな「与信」とは何か、その全容についてご紹介します。
与信とは
与信は文字の通り、取引をする相手に「信用を供与すること」を指しています。対価より先に代金を払っている場合、または、対価と同時に代金が支払われる場合、この二つのケースで債権が焦げ付くことはありません。同時期かそれより先に代金が支払われているからです。
ですが、企業間における取引では頻繁に継続的に取引が行われているので、上記の方法では効率的ではない状況が発生してしまいます。そのため取引先に信用を供与し、商品などを納品した後またはサービスを提供した後に代金を支払ってもらうという「与信取引」を行います。この際に発生しているのが「与信」です。
しかし、与信取引を行うと、後に代金が確実に回収できるかどうかは不透明で、取引先が代金を回収できない「リスク」が常に伴います。なので、そのリスクを定期的に管理することで、回避、軽減する必要があります。
与信管理とは
与信についてはなんとなく理解したものの、与信管理がまだどういったものか把握しきれていない人は少なくないのではないでしょうか。「与信管理」も実は簡単で、上記で記した与信を管理することです。具体的には、与信は信頼関係があってこそ成立するもの。その信頼関係を維持するために、取引先の細かな情報を収集し分析することにより、取引先の信用力をはじめとするその動向を予測分析しながら、取引額を調整して、損失を抑えつつ購買代金をしっかり回収できるように管理することを「与信管理」と言います。
また違う言い方をすると、倒産の可能性が低く信頼のおける会社に対してはこの与信を大きく行って取引を拡大していく一方で、倒産の可能性がある危険な会社に対してはこの与信を絞り取引を縮小していくように「管理」をするのが、与信管理です。
与信管理の重要性
では、なぜ与信管理がそこまで重要なのでしょうか。仮に取引先からの代金が回収できない場合、これは「貸し倒れ」または「焦げ付き」と言って企業に大きな影響が出てしまいます。その影響は大きく分けて三つあります。それは「利益の損失」「資金操りへの影響」「信用の低下」です。
まず「利益の損失」とは名の通り、自社で作り上げてきた利益が一気に失われることになります。例として10%の利益率の取引において1000万円の焦げ付きが発生したとすると、この損失を取り戻すためには1億円の売り上げが必要になります。この数字からも分かる通り焦げ付きでの利益の損失は、現状だけでなく将来の会社の雲行きも悪くしてしまうほど大きな打撃になります。
次に「資金操りへの影響」です。多くの会社は、売り上げを「資金」として支払先やその他の会社に経費を支払って運営していますが、焦げ付きによりこの資金に影響が出ると会社がうまく回らなくなり、場合によっては自社も倒産してしまうことになりかねません。これを「連鎖倒産」と呼び、最悪のケースです。このような事態に陥らないためにも、与信管理はとても重要だと言えるでしょう。
最後に「信用の低下」です。焦げ付きの発生は金銭面だけにダメージを与えるのではありません。焦げ付きが発生すると「この会社は取引先の管理ができないのか」と周囲の会社からの信用を低下させてしまい、それが原因で、商品などの仕入れや取引ができなくなり会社の運営を蝕んでしまいます。そうなると、会社の成長も滞ってしまい、従業員のモチベーションが上がらず経営不振になってしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。
与信管理の方法
では、どのようにすれば上記のようにならず与信管理ができるのでしょうか。プロセスとしては、まず取引に際して、取引を行う企業の情報を集め徹底的に分析判断して、実際に取引を行うかの可否を出していくところから始まります。この分析がしっかり行われていないと後に計画どおり行かなくなってしまいます。この時も企業間で商談を行ったり、条件の制定を行ったりします。この際にも、信用の置ける企業かどうかを見定めていく必要があります。
まとめ
今回はよく耳にする「与信」とは何かについてご紹介しました。この与信という言葉は、ビジネスマンだけでなく、生きていく上で、その内容やシステム、流れを覚えていくことはとても重要で、このことから派生してさまざまな知識に役立ちます。何事にも信用は大事というようにビジネス間でもやはり、重きを置かれています。この与信に関しては情報がとても大事で、信頼のおける企業間や、実際に取引をしている企業間では、情報の交換は大事になりますが基本的には企業の情報漏洩は危険です。そのような情報を守りたい場合は、お気軽に総合探偵社ブレイブリサーチまでお問い合わせ下さい。