企業間で取引を行う際には、「企業調査」というものを行っておく必要があります。でも、なぜそのような調査が必要になるのでしょうか。また、企業調査ではどのようなことを調査するのでしょうか。今回の記事では、その必要性と重要項目についてお伝えしていきます。
企業調査とは
ある企業が別の企業と取引を行い、新たに商品やサービスを売買するとします。もしくは、すでに行っている取引を今後さらに拡大させたいと考えているとします。これらの場合に、企業としては取引先企業の評判や財務状況などを詳しく知っておきたいところでしょう。このように、企業と企業が取引を行う際に、本当に取引先企業が信用に値するのかどうかを事前に調査することがあります。これを企業調査といいます。
企業調査の方法にはいくつかのものが存在しています。最も一般的なのは、インターネットで取引先企業の情報を検索することでしょう。このことによって、世間からの評判など、ある程度のことがわかります。また、その取引先企業の同業者から情報を得るという方法もあります。このことによっても、ある程度信頼できる情報が得られるはずです。
もし、それらよりさらに詳しく取引先企業のことを知りたいと考えた場合には、必要に応じて調査会社に依頼して企業調査を代わりに行ってもらうという方法もあります。料金は発生しますが、経営者の人柄や財務状況まで詳細な情報を得ることができるので、本当に取引先企業が信用に値するのかを知りたい場合には、有効な手段と言えます。
企業調査の目的
それでは、取引先企業が信用に値するのかどうかを詳細に調査する目的には、いったいどのようなものがあるのでしょうか。それは一言で言うと、「企業間のトラブルを未然に防ぐ」ということです。
例えば、ある企業(A社)が別の企業(B社)に対して商品やサービスを提供し、それに対してB社から金銭の支払いを受けるという取引を行おうとしているとします。この時A社は、「B社は本当に金銭を支払ってくれるのだろうか」という不安を抱えることになります。B社に支払いを行ってもらえず、A社の財務状況に負の影響を与えてしまうリスクがあると言ってもよいでしょう。また、B社の立場から見てもリスクはあります。A社からの商品やサービスの提供が予定通りに行わなければ、B社の経営を圧迫することにもなりかねません。
このように、企業間の取引においては、常にトラブルのリスクが付きまとうことになります。企業調査の目的は、それらのリスクを可能な限り軽減させることにあります。具体的には、取引先企業に十分な支払い能力や供給能力があるかどうか、多額の負債などを抱えていないかどうか、さらには経営者の人柄が信用に値するかどうかまで調査を行い、企業間のトラブルを未然に防ぐ必要性があります。
重要調査項目
経営者の人柄
企業調査ではどのような項目を調査する必要があるのでしょうか。まずとても重要なのは、経営者の人柄です。どのような企業であっても、そこを動かしているのは人です。経営者がどのような人物かというのは、企業調査の重要調査項目となります。
経営者の人柄といっても、それは単純に性格的に優れた人かどうかを調査するわけではありません。企業と企業で信用のおける取引を行いたいわけですから、ここでは経営者が経営や取引、金銭面などに対して誠実な人物かどうかを調査することになります。具体的な調査項目は、以下のようなものが挙げられます。
- 経営方針が問題なく作られているか
- 社内の雰囲気は良好に作られているか
- 経営者の過去の経歴は信用できるものか
- 経営者に、好ましくない人物や企業、団体とのつながりがないか
- 過去に取引先企業との間に、特に金銭面においてトラブルがなかったか
- 金融機関との取引はスムーズに行われているか
これらはほんの一例ですが、経営者の性格的な部分だけでなく、経営や取引などに対する姿勢を過去から現在まで詳細に見ていくことがとても重要です。
財務状況
企業調査では、特に金銭面におけるトラブルを未然に防ぐという目的があるので、当然取引先企業の財務状況について調査することも重要になってきます。取引先企業に支払いや商品の供給を行うための十分な収入があるのかを、詳細に調査していくことになります。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 収入と支出の状況は安定しているか
- 売り上げが急激に減っていたり、仕入れ価格が急激に上がったりしていないか
- 受注や在庫の状況はどのようになっているか
- 今後の事業計画はどのようになっているか
また、経営が圧迫されていないか、あるいはそのリスクのあるようなことが起こっていないかなども、調査の対象になります。
- 大量に離職するなど、従業員の大きな入れ替わりがなかったか
- クレームや不祥事など、経営を大きく圧迫するようなことが起きていないか
- 他の企業との取引で、金銭面におけるトラブルを起こしていないか
- 逆に他の企業にトラブルを起こされ、経営が圧迫されていないか
その他にも、取引先企業の金銭面がどのような状況になっているか、以下のようなことについても調査していきます。
- 金融機関への未払いがないか
- 税金をきちんと納めているか、滞納による差し押さえなどを受けていないか
- 万が一トラブルが発生した時に対応が可能なだけの資産があるか
このように、単純に経営が上手くいっているか、収支が安定しているかなどを見て「この企業は安心だ」と判断するのではなく、様々な面から情報を集めることで財務状況がどうなっているかを調査し、信用できる企業かどうかを見極めていく必要があります。
まとめ
ここまで、企業調査がなぜ必要なのか、どのような項目を調査すべきなのかについてお伝えしてきました。企業と企業が本当に安心して取引を行っていくためには、これだけ数多くの項目について調査し、信用できる企業かどうかを判断する必要があるのです。
総合探偵社ブレイブリサーチでは、企業調査の代行も承っております。新たな企業間取引を始めたい時、あるいは取引を拡大したい時などに、ぜひ気軽にご相談ください。